私は大学2回生の夏休みに、バイトで稼いだお金を使ってアメリカの語学学校に1ヶ月通ったことがあります。
空港についてアメリカの自由な空気に浸っていると、学校の関係者の人が出迎えてくれたのをなぜか今でも覚えています。名前はもう忘れてしまったけれど、この気さくな中年のおっちゃんは学校に着くまでの間、色んなこと話してくれました。
当時は英語で話せる言葉も少なかったし、その時の話は全て理解できたわけではないけれど、発音を褒めてくれたことだけは嬉しくて覚えています。
そして、続けて彼は「君は何か楽器が演奏できるかい?」と聞いてきました。
私は小学生くらいからドラムをしていたので、そう答えると、「やっぱり!」。彼は得意気に「音楽をやっている人は耳が良いから、語学の習得も早いんだ。」という内容を語ってくれたのでした。
私が語学と音楽の関係を強く意識するようになったのはこのころからです。
英語を話すのは楽器演奏に似ている?知っておきたい英語学習のステップ
語学と音楽の共通点ー成長の段階は大きく分けて3段階
後になって考えると、この語学と音楽の関係はシックリくるものがありました。
出したい音を頭のなかにイメージしてそのイメージをアウトプットすることなどは確かにそっくりに思えます。
語学学習でも、楽器演奏でも最終的には脳が無意識にこの作業を行っている状態を作ることが目指すべき場所なのではないでしょうか。
そこで私は、そこに至るまでのステップを知って勉強することで比較的効率的に勉強できるのではないかと考えました。
私の頭に浮かんだ英語学習のステップは大きく分けて3段階
- 単語や熟語の意味を知って発音できるようになる
- 文を作れるようになる (覚えた単語が文のどの位置で活かされるかを理解する)
- 日常会話を想定した機会を作る
段階1: 単語や熟語の意味を知って発音できるようになる (音の出し方を学ぶ)
単語を勉強するのは音楽に例えると音階を理解することや、コードを覚えることに似ています。
単語ばかりを勉強しても面白くないけれど単語をきちんと使いこなせることは英語力を高める上で絶対的な基礎になるため大切です。
このステップ1の単語・熟語を勉強する時に特に意識したいことは、単語のイメージ。これは英語を理解するスピードに大きく関わっています。
例えば、日本語で「りんご」という単語を聞いた時に、文字よりも先にあの「赤くて丸い果物」が頭に浮かぶはずです。
これが英語を勉強する時になると「apple」→「りんご」→「赤くて丸い果物」になる人が多い。
つまり「英語」→「日本語」→「イメージ」のように日本語を仲介して単語を覚えようとしてしまうのです。こうすると会話になった時に理解が間に合わずついていけません。
単語を勉強する時はイメージ先行で覚えていく習慣をつけておくといいでしょう。
段階2: 文を作れるようになる (覚えた単語が文のどの位置で活かされるかを理解する)
単語・熟語がある程度覚えられたら文を作る段階が次のステップと言えるでしょう。
音楽の演奏に例えると、コード進行を理解して曲が演奏できるようになることに似ています。
英語学習で言えば「文のパターン (文法)」 の勉強もここで必要になってきます。
英語の文は基本的に、「文のパターン」とステップ1で学んだ「単語のイメージ」の組み合わせで意味が決まります。そこで、段階2では徹底的に文のパターンを頭に入れることがオススメです。
細かい説明はここでは省略しますが、リーディング、スピーキングどちらにおいても正しい文を徹底的に真似て、覚えた単語を文脈で理解するのを意識することが大切です。
段階3: 日常会話を想定した機会を作る (演奏)
最後の段階は1、2の基礎固めができていて無意識レベルでアウトプットできる状態にすること。
そして、自然な英会話ができるようになるために一番効果的なのはやはり場数を踏むことです。
英語を話す外国人の友達が周りにいればそれに越したことはないですが、普段英語を話す機会がない人に1つオススメの会話練習法があります。
それは映画などの会話の1シーンを徹底的に繰り返し聞いてセリフを覚えるまで声に出して復唱すること。ビジネスの場で挨拶を交わすシーンや恋愛であれば告白のシーンなど、短くて覚えられるくらいの長さで行うことが大切です。
この練習をすることで、自分が実際に似たような場面にいる時にどんな会話をすればいいのかといった予行演習の効果が得られます。
まとめ
英語を勉強しようと思った時に何から手を付けたら良いかわからない時は段階を3つに落とし込むことによって目の前の取り組むべき課題に集中することができるようになります。
英語が話せるようになりたいという人は、すぐに自然な英会話ができるようになりたいと思うかもしれません。
しかし、これはピアノ演奏で言うと、素人がいきなりJazzに見られるような即興演奏ができるようになるようなもので、ハードルが高すぎてやる気を失ってしまう可能性が高いでしょう。
語学学習と楽器演奏の関係性については、個々よって参考になるか分かりませんが、私にとっては取り組むべき課題が明確になり、英語学習の効率アップに効果がありました。
それぞれの段階で一番に力を入れて取り組む内容は変わってくると思いますので、自分に足りないスキルを意識して、効果的な勉強法を考える際に役立てば幸いです。